YAMAHA FG-180って古くなってもいい音する個体ありますよね。しかしながら50年経過すると人間と同じくガタがきます。パッと見は分からないのですが見てください!このように下っ腹が出てくるところも人間と同じですね。メタボです。
まず、こうなると弦高が高くなってしまい(この地点で12フレットの弦高が6弦側/3,3mm、1弦側/3mm)サドルを下げて程良い弦高に調整しますが何回かこの調整を行いますと限界がやってきます。
ここまで来るとこれ以上はサドルを下げて調整するのは難しく弦のテンションもサドルに掛からなくなってきます。この様な状態のギターは多いのではないでしょうか?ネックのリセットやトップ板の矯正などは費用が高いので諦めている方もいらっしゃると思います。今回はこのギターにそこまで費用が掛からず何とか弾きやすい弦高まで下げるメンテを行ってみたいと思います。ブリッジの表面を削りサドルが出る状態にすると同時にサドルも下げます。ブリッジを削る事によってサドル溝の深さが足りなくなりますので溝も深くします。まずは目標とする深さまでサドル溝を削ります。
いい感じで削れました。次にブリッジの上面を目標とする厚みまで削ります。合わせて整形します。
削って消えてしまったピンホールの面取りと弦スロットを整えます。
完成したブリッジはオイルで保湿。新たにサドルを作ります。
弦を張ってみました。何とか弦のテンションがサドルに掛かる状態となりました。ブリッジピンホールからサドルへの弦の角度を見てもらえれば分かりやすいですね。弦高も6弦側/2,7mm、1弦側/2,3mmまで下げる事が出来ました。
すべてのギターで同様の処置が出来るわけではなくブリッジの厚みをはじめ条件が合わない場合や状態によっては難しい場合もありますが思い入れのあるギターなど何とかしたいとお考えの方は一度ご相談ください。ほんの1mm弱なんですが弾き心地は変わりますね。
今回はナットも合わせて交換しましたのでビフォーアフターです。
コメントをお書きください